さまざまな事情で「車を売ろう」と思っても、どれから手を付けたらいいのか・どんな手順で行えばいいのか分からないものですよね。
もう何度も車の売買を繰り返している方ならともかく、高い買い物かつ一度購入すれば何年も乗る車の場合はそのような経験を積むことも難しいもの。
初めての売却であればなおさらです。
また普通に売るだけならともかく、「できれば高く売りたい!」となるとしっかりと知識を身につけておく方がよいでしょう。
- 車を売る基本の流れを知りたい!
- 高く売るコツってあるの?
- 必要書類などの事務手続きや注意事項も知りたい!
今回は、これらの疑問にお応えしつつ、売却先の選び方から車を高く売るコツ、注意点まで解説していきます。
この記事の流れに沿っていただければ、車をスムーズに売却し、最高価格で愛車を手放す知識が身につくと思います。
車を売る流れ:基本の7ステップ
まず車を売る基本の流れを簡単に解説しましょう。車の売却は、以下7つのステップに分かれています。
車を売る流れ:7ステップ
- 売却先を選ぶ
- 査定の申し込みをする
- 予定を調整する
- 査定を受ける
- 書類を用意する
- 車両を引き渡す
- 入金確認する
車売却はトータルで1〜2週間ほどかかります。売却先の選定や必要書類の準備が遅れると、1ヶ月程度かかることも。
車の値段は市場の影響を受け日々変化していき、基本的に日々下落していきます。
時間をかければかけるほど価値が下がっていくので、一度売ると決めたらあまり時間をかけるのはおすすめしません。
今回の記事を参考にしていただき、スムーズに売却を進めていきましょう。
STEP1.売却先を選ぶ
車を売る上で「どこに売却するか」を決めるのが、最初の段階にしてもっとも重要なこと。
新車購入の場合、とりあえずディーラーで売る(下取り)という選択肢もありますが、高く売りたいならばそれでは不十分です。
ここでは、以下3つの車売却方法と特徴について解説します。
車を売る3つの方法
- ディーラーの下取り
- 車買取店に売却
- 個人間売買
1.ディーラーの下取り
新車に買い替える場合、車の売却方法を決めていない方は、ほとんどがディーラーの下取りを利用することになるでしょう。
車における下取りというのは、新車販売特有の仕組みで、車の売却額を新車購入代金から差し引くというものです。
例えば、新車購入代金が350万円で、下取りが100万円だった場合、ディーラーに支払うのは250万円で済みます。
下取りでは、新車購入・車売却の手続きが同時に行えるのが最大のメリット。
新車購入かつ手間をかけずに売却したい方におすすめです。
しかし、その代わり売却額は安くなってしまうというデメリットがあります。
もうひとつの落とし穴として、新車購入には必ず値引きがあります。
ディーラーで下取りを利用すると、売却(下取り)額を高く見せかけるために、値引き額まで減らされてしまうことがあるのです。
新車の値引きを少なくした分浮いたお金を査定額に上乗せすることで、見かけ上査定額を高くできるのです。
しかし、その内訳を知っているのはディーラーの営業マンだけ。売却する側は知ることができませんので、数字のマジックで誤魔化されてしまうのです。
こうした点から、「新車を安く買いたい」「車を高く売りたい」と考えている人には、ディーラーの下取りはおすすめしません。
2.車買取店に売却
車買取店とは、ガリバーやビッグモーターに代表されるような車買取を専門とする業者です。
車買取に特化しているため、ディーラーよりも高く売れるのが最大のメリットです。
特に最近は、自社で中古車販売も行う業者が増えています。
こういったお店では「自社買取・自社販売」のサイクルを確立できるため、更に利益を見込んだ高価買取が期待できるのです。
こうした業者は昔に比べて増えてきているため、複数の買取業者を競わせることで、より高く売ることが可能です。
しかし、同じような店が多すぎて、どこを選べば良いのかわからないというデメリットも出てきました。
おすすめの車買取業者は下記記事で詳しく解説しています。
3.個人間売買
結論からいえば、この個人間売買は一般の方にはおすすめしません。
専門業者・第三者が介入しない分トラブルに巻き込まれるリスクが非常に高いからです。
最近はメルカリやヤフオクなどが登場し、個人でも簡単に車を売却できるようになりました。
ディーラーや車買取業者を使うと、どうしても各業者の利益分である「マージン」を取られてしまいます。
業者によっては数十万円もマージンを取ることがあるので、損をしていると感じる方も多いでしょう。
一方、個人間売買なら、車を欲しがっているユーザーに直接売るため、中古販売価格=売却額となります。業者のマージンがない分、高く売ることができるわけです。
しかし、あくまで個人間のやり取りであるため、お金が支払われない以外にも、名義変更がされないなどの重大問題に繋がるトラブルが起きているのです。
名義変更がされない状態で違反や事故を起こすと、責任を追求されてしまう可能性があります。
他にも、売却した後に車が故障し、修理代金をどちらが負担するのか揉めるケースもあるのです。
また、フリマアプリなどで売却した場合、商品代金の10%程度が手数料として取られます。高額車であればあるほど、手数料の額も増えます。
こうした点を考慮すると、マージンを取られたとしても、間に業者を挟んだほうが安心なのです。
STEP2.査定の申し込みをする
売却のキモである売却先が決まれば、いよいよ査定申込みをします。
ディーラーで下取りをする場合、新車購入の商談中に査定を依頼すれば問題なし。
ここでは自身で動く必要がある「車買取業者に査定を依頼する方法」を解説します。
近隣の車買取業者を探す
車買取業者のほとんどが自社の店舗を構えています。全国展開している業者なら、近所に必ず1店舗はあるでしょう。
こうした店舗に車を直接持ち込めば、その場で査定を受けることができます。
しかし、それでは1社の査定しか受けられず、査定価格を比較することはできません。
比較対象がないと、業者が提示した査定額が本当の車両価値を反映しているか分からないのです。
慈善事業ではないので、初めから最高額を提示してくれる業者はないと思っておきましょう。
また大手買取業者に限らず、地域に根ざした買取業者の査定も受けてみた方が、意外と高く売れることもあるのです。
そこで、買取業者選びは車一括査定を活用して複数業者を比較してみましょう。
車が高く売れる「車一括査定」を利用する
車一括査定を簡単に説明すると、複数の買取業者に対して一斉に査定依頼ができるサービスのことです。
専用のサイトから郵便番号を入力すれば、近隣の買取店をリストアップしてくれます。
その中から、査定を依頼したい業者を選び、車両情報を入力し申込みをするだけ。
自分でイチから業者選びをしなくて済む上、一度の情報送信で複数業者に査定依頼ができてしまいます。
査定の申し込みは、たったこれだけで完了します。
車一括査定を使った場合、申込みをした買取業者から電話がかかってきます。
STEP3.予定を調整する
査定の申し込みをすると、買取業者から電話がかかってきます。
これは予定調整の連絡なので、空いている日を伝えて予定を決めましょう。
車一括査定を使うと、申込み直後から大量の電話がかかってきます。
電話の回数を最低限で済ませるためには、その電話で予定を決めてしまうことです。予定が決まらないと、買取業者は何度も電話をかけてきます。
次の「査定を受けるステップ」でも紹介していますが、複数の買取業者に依頼する場合、同日同時刻に設定してしまう方法もおすすめ。
全ての買取業者が一堂に会するので、時間も節約でき、競争が起きて査定額が上がるメリットがあります。
STEP4.査定を受ける
買取業者のスタッフが実車を確認する作業が査定です。
査定時間は1社ごと30分〜1時間程度なので、時間に余裕を持ってスケジュールを組んでおきましょう。
査定は買取業者の店舗で受けるケースと、査定員が自宅に来てくれるケースに分かれます。どちらも無料で利用でき、結果が変わることはありません。
自宅に呼ぶことで車の移動もせずに済みますし「同日同時刻に全ての買取業者を呼ぶ」という方法も使えるようになります。
複数の買取業者を別々に呼べば各社の査定時間がかかりますが、同日同時刻に全ての買取業者を呼べば、全社合わせて30分〜1時間で査定は完了します。
このように一斉に査定を受けることで、その場で競争が発生し査定額が上がるメリットもあるのです。
STEP5.書類を用意する
査定が完了し、結果に納得できればいよいよ契約を交わします。
契約書にサインをした後、売却のために必要な書類を準備します。以下の車売却書類が必要です。
車売却の必要書類
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書
- 自動車リサイクル券
- 実印
- 印鑑登録証明書
- 委任状
- 譲渡証明書
前もって手配・準備しておくと査定~売却の流れがスムーズになるでしょう。
軽自動車の場合、実印と印鑑登録証明書は必要ありません。
委任状と譲渡証明書に関しては買取業者が用意してくれるため、必要事項に記入と押印をすればOKです。
STEP6.車両を引き渡す
契約と車両の引き渡しは、買取業者によっては同日に行われることも。
買取業者の多くは、査定日に車両だけ引き取り、その後郵送で書類のやり取りをする方法を採用しています。
そのようなケースでは、査定と車両の引き渡しは同日である可能性があるのです。
買取店で査定を受ける場合、車を引き渡したら帰宅は公共交通機関等を利用することになるため、足の確認も必要です。
車内の不要物は、取り出して自宅に置きましょう。
STEP7.入金を確認する
車両と書類の引き渡しが済めば、売却金額が指定した口座に振り込まれます。
大手買取業者の多くは、2〜3営業日で振り込み対応してくれます。
中小の買取業者の場合は最大1週間程度の時間を要することも。振り込み日がいつになるか契約時に確認しておきましょう。
ほとんどの買取業者が振り込み採用しているので、現金買取はあまり行われていません。
また、ディーラーの下取りを利用する場合、売却金額は新車購入代金から差し引かれますので、振り込みで現金を受け取ることはありません。
まれなケースですが、下取り価格が新車購入代金を上回った場合のみ、振り込みで現金を受け取れることがあります。
実践可能な内容をチョイス!車を高く売る4つのコツ
車を売る流れを理解したら、あとは「できる限り高く売るコツ」を知り実践しましょう。
タイミングによって買取相場が変わったり、ちょっと手間をかけるだけで査定額に影響することがあるので、漏れなくチェック・実践してほしいと思います。
(1)走行距離と年式を気にする
高く売れる車は、中古車として人気が高い車を意味します。これはディーラーでの下取りでも、車買取店への売却でも変わりません。
つまり、次に買う人が「欲しい!」と思える価値の高い車であることが大事なのです。
車の価値には、走行距離と年式が大きく関係してきます。
一般的に、年式10年落ち・走行距離10万キロを超えた車は市場における需要が下がります。
そのため、このラインを超える前に売却するのがおすすめです。
(2)モデルチェンジ前に売却する
もしあなたが今すぐ売却しようと思っていないなら、「モデルチェンジはいつあるのか」を確かめておきましょう。
モデルチェンジ後に車を売ると、旧モデルとなり買取価格が下がってしまいます。そこで、モデルチェンジ前に車を手放すのがおすすめです。
特に最近はモデルチェンジで安全運転支援システムが大幅にグレードアップします。
そうすると、旧モデルの需要は大きく下がってしまいます。
インターネット上でモデルチェンジの情報が調べられるので、新モデルの動向は常に気にしておきましょう。
そこまで急いで売るつもりがなかった場合でも「もうすぐモデルチェンジがやってくる!」という場合は、早めに手放した方が、手元によりお金が残るかもしれません。
(3)洗車や清掃をする
車を高く売るなら、査定前に車内外の清掃をしておきましょう。綺麗な車であれば、査定員の心象も良くなります。
洗車をすることで、ボディの傷や凹みは全て分かりやすい状態になり、正確な査定を受けられます。
プラス査定になるわけではありませんが、良いイメージを持たれることは減額を避けるためにも大切です。
「傷や凹みが見えた方が減額されるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実は査定の現場では真逆の現象が起きるのです。
ボディが汚れていると、傷や凹みが確認できず余計に減額されてしまう可能性があるのです。
その場で査定員が洗車することはできないため「後でクリーニングしたら重大な傷や凹みが隠れているかもしれない」としてマイナス評価されてしまうわけです。
一方、傷や凹みがあったとしても「この程度なら自社で直せる」として、大きな減額にならないことも多いのです。
内装に関しても同じことが言えるので、車内清掃は欠かさず行いましょう。
洗車も車内清掃も、完璧に行う必要はありません。
洗車は外装の汚れを落とす程度で、ワックスがけなどは不要。車内清掃も掃除機がけ程度で構いません。
(4)メンテナンスノートや付属品を用意しておく
車の価値を証明する書類や付属品を用意しておくことで、査定時にプラス・またはマイナス評価を減らすことができます。
車の定期点検を受けると、メンテナンスノートというものに整備記録が残ります。
これらは、その車がどんなメンテナンスを受けてきたのかを示す、大事な書類。
メンテナンスノートがあることで品質が保証され、査定時に高評価となる可能性が高くなります。
また、スペアキーなどの付属品も、査定時には全て揃えておくことをおすすめします。
欠品はマイナス査定の原因となるので、そうしたリスクは少なくしておくことが大切です。
これらを守れば、査定員がしっかり車を確認することができます。
「確認できないが、おそらくリスクがあるだろう」という無駄なマイナス評価を防ぐことこそ、車をなるべく高く売るカギになります。
車を売るときの疑問に回答!
また車を売るにあたって、ここまでで解消されていない疑問もあることでしょう。
車を売る時、多くの人が疑問に感じる点にまとめて回答していきますね。
傷や凹みは直すべき?
売却にあたって、傷や凹みはわざわざ直す必要はありません。
マイナス査定の額よりも修理代の方が高くつくためです。車査定の際、小さな傷や凹み程度であれば数万円の減額で済むでしょう。
しかし、修理に出すと10万円程度の修理代がかかるケースがほとんど。高額の修理代金をかけても、数万円の減額を避ける程度にしかなりません。
であれば直さずに売却した方がお得なのです。
買取業者は、ほとんどが自社工場を持っていますので、自社で格安修理ができる都合上、傷や凹み程度であれば大きな減額にはなりません。
また外部に修理依頼しなくても費用をかけずに自分で直せばいいのでは、という考えも危険。
プロ以外が市販品などでキズ埋めや修理をすると逆に汚くなり、大きな減額のポイントになることもありえます。
売却前に車検は受けるべき?
結論からいうと売却前に「車検は受けなくてもよい」です。
車検を受けてから売っても、車検費用を売却額でカバーすることはできません。車検が2年残った状態で売っても、車検費用ほどのプラスにはならないのです。
上記、傷や凹みを直さず売った方が良い理由と同じ。
車検も買取業者の自社工場でできてしまうので、受けても受けていなくてもあまり影響しないのです。
ただし、車検が切れてからだと、自走できないので店舗への持ち込み査定が受けられなくなる点には注意してください。
名義が違う場合は売却できる?
これはNOです。名義が自分以外になっている場合は車を売ることはできません。
必ず自分の名義に変更してから査定を受けるようにしましょう。
所有者名義がローン会社やディーラーになっている場合、ローンを完済しないと売却できません。
すでにローンを完済している場合「所有権解除」という手続きが必要となります。
ローン残債中の売却であれば、査定申込の際にその旨を伝えましょう。
査定額がローン残債を上回っていれば、買取業者が必要な手続きを代行してくれるので車売却が可能。査定額から残債を引いた額が手元に入ることになります。
下回ってしまった場合は差額を自分で支払う必要があるため、ローン会社と相談することになるでしょう。
売却日数はどれくらいかかる?
車を売るのに必要な日数は1〜2週間程度です。
売買契約を結んでから、お金が振り込まれるまでは2〜3日ほどかかります。
しかしこれは全てがスムーズに進んだ場合。今回解説したステップのどこかでつまづいてしまうと、その分日数が延びてしまいます。
書類の準備に手間取ってしまうケースが多いので、事前に必要書類一式を用意しておいてください。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
最後に記事のポイントをもう一度まとめます!
- 人気車種はどの買取業者も欲しがるため高価買取が期待できる
- 需要が少ない車や、古い車などは複数の買取業者に査定依頼が基本
- 人気・不人気車問わず最低でも3〜5社の査定を受けて比較しよう
- 最高額での売却を求めるなら「車一括査定」がおすすめ
車一括査定では業者からの電話が多いなどのデメリットはありますが、この点を割り切れるなら、一番高く売れる方法のため、積極的に活用したいサービスです。