不動産を売却しようとした時によく聞くのが不動産査定書です。
不動産査定書とは一体何なのでしょうか？
不動産査定書でよくある疑問
- 不動産査定書は無料でもらえるの？
- 不動産査定書で大事なところ、見るべきポイントはどこ？
- 不動産査定書はどうやったらもらえるの？
結論から言うと不動産査定書とは不動産の価値を査定した書類で鑑定士が査定した不動産鑑定書と不動産会社が査定した不動産査定書があります。
この記事のまとめ
- 不動産査定書は不動産会社が無料で作成する書類
- 不動産鑑定評価書は不動産鑑定士が有料で作成する書類
- 不動産査定書を作成するには不動産一括査定がオススメ
- 不動産査定書を作成してもらうには建物情報と個人情報が必要
- 不動産査定書を見るポイントは成約事例、建物・土地価格、販売方針の3つを確認
不動産査定書とは？
不動産会社の作る不動産査定書
一般的に不動産査定書は不動産の査定依頼を受けた不動産会社が作る書類のことです。
特に決まったフォーマットがあるわけではなく、各会社で独自で作成しています。
評価方法も各社独自で設けていて、取引実績や市場価格からの予測値や土地と建物を評価した価格を提示します。
会社単位で評価方法を設けていないこともあり、その場合は担当者の裁量次第なのでばらつきがあります。
不動産鑑定士が作る不動産鑑定評価書
不動産会社が作る不動産査定書と似たような書類が不動産鑑定評価書があります。
国家資格の不動産鑑定士が有償で作成する評価書です。
不動産会社の作る不動産査定書と違い、公的に認められた文書なので、銀行や税務署が不動産の価値を判断する材料になります。
いわゆる「鑑定評価」と呼ばれるもので、例えば、銀行が自宅や収益物件に融資をする際に、融資をして良いかどうかを判断する材料になります。
銀行にもよりますが、鑑定評価の重要性はかなり大きく、融資判定に影響を与えます。
それだけ重要な評価書と言えます。
しかし、一般の人が不動産鑑定評価書を扱うことはほとんどなく、前者の不動産査定書を扱うことの方が多いです。
不動産査定書の依頼のしかた
自宅や所有している不動産の不動産査定書を依頼するなら不動産一括査定サイトで依頼をしましょう。さらに言うと複数の不動産一括査定サイトを利用することをオススメします。
その中でも「すまいValue」は大手6社が運営しているサイトなので、しっかりとした不動産査定書を作ってくれますのでオススメです。
査定依頼した不動産会社のうち、何社かは「似たような意見」を言い、査定額も似たような感じになると思います。
その「似たような意見」こそが、世間一般の常識と解されます。 常識を探るためには、必ず複数の不動産会社から査定を取ることが必要となります。
自宅を売る際は、まずは不動産一括査定サイトを利用して、「似たような意見」を集めることから始めるようにしてください。
【2025年1月最新】不動産一括査定サイトのオススメ6選
数ある不動産一括査定サイトの中で当サイトが厳選してオススメするサイトは下記6つです。
- すまいValue：人口の多い市区町村にオススメ
- スーモ：万人にオススメ
- HOME4U：万人にオススメ
- イエウール：地方・田舎にオススメ
- リガイド：収益物件の売却にオススメ
- ホームズ：収益物件の売却にオススメ
| 比較項目 | すまいValue | スーモ | HOME4U | イエウール | リガイド | ホームズ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 運営会社 | 小田急不動産(株) 住友不動産販売(株) 東急リバブル(株) 野村不動産ソリューションズ(株) 三井不動産リアルティ(株) 三菱地所ハウスネット(株) |
株式会社リクルート | 株式会社ＮＴＴ データスマートソーシング | 株式会社Speee | 株式会社ウェイブダッシュ | 株式会社LIFULL |
| サービス開始年 | 2016年 | 2009年 | 2001年 | 2014年 | 2006年 | 2008年 |
| 査定数 | 非公表 | 非公表 | 累計45万件 | 20万件 | 非公表 | 非公表 |
| サイト利用者数 | 非公表 | 月間訪問者数 約2188万人 | 年間700万人 | 累計1,000万人 | 非公表 | 非公表 |
| 提携している不動産会社の数 | 6社 | 2,000社以上 | 2,300社以上 | 2,000社以上 | 900社以上 | 4,000社以上 |
| 同時依頼数 | 6社 | 10社以上 | 6社 | 6社 | 10社 | 10社 |
| 机上査定 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × |
| 備考欄など | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 特徴 | 国内最大手に頼める。 都会に強く地方に弱い傾向がある。 | 賃貸で有名なスーモが運営。 大手～地域密着まで幅広い不動産会社が参加。 | NTTデータグループなので安心感はトップ。 一括査定の歴史最長の老舗。 | 入力がLINE風でカンタン。 | 厳選された不動産会社がウリ。 運営も長く、旧SBIグループの安心感がある。 | 賃貸で有名なホームズが運営。 収益物件に強い不動産会社が多数参加。 |
※2025年1月現在
紹介した不動産一括査定は、どれも安心して利用できます。
ただし、それぞれの不動産一括査定には弱みがあります。その弱みを防ぐ方法があります。
弱みを防ぐには不動産一括査定を併用利用（組み合わせ利用）するのです。
都心部や県庁所在地などの人口が多い都市の方
三井のリハウスや東急リバブルなどの国内最大手の不動産会社は、「すまいValue」にしか参加していません。
また、大手・中堅・地域密着の不動産会社参加の
も併せて申し込んでおきましょう。
つまり最大手の不動産会社に依頼できる「すまいValue」に加えて、大手・中堅・地域密着の不動産会社に依頼できる「スーモ」「HOME4U」を組みわせるのです。
安心できる１社のみにしたいという方は、仲介取り扱い件数38年連続No.1の三井のリハウスがおすすめです。
地方や郊外の方
大手の不動産会社は都心に強いですが、地方や郊外では対応できない場合があります。
特に「すまいValue」を使って依頼できる最大手の不動産会社は地方や郊外は対応していない可能性があります。
地方や郊外の方は「スーモ」「HOME4U」「イエウール」を併用するといいでしょう。
収益物件の方
収益物件の方は、収益物件の強い不動産会社の参加が多い「リガイド」「ホームズ」がオススメです。
特にリガイドは、売却だけではなく、賃料査定やリフォーム業者選びもできることから、今持っている物件を「リフォームして貸したい」という人にとっては、使いやすいサイトです。
また、人口が多いエリアは「すまいValue」に依頼しておきましょう。
大手はやはりそういったエリアの仲介は積極的で買手の情報も多くつかんでいるため、高く売れる人を見つけてくれる可能性が高いです。
安心できる１社のみにしたいという方は、仲介取り扱い件数37年連続No.1の三井のリハウスがおすすめです。
不動産一括査定のオススメについては、下記記事で詳しく解説しています。
不動産査定書を依頼する時に必要な情報
不動産査定書すなわち不動産査定を依頼する時に必要な情報は大きく分けて以2つです。
必要な情報
- 建物情報
- 個人情報
必要な情報1. 建物情報
購入した際の契約書があれば記載されているので準備しましょう。
建物情報
- 住所
- 所有者
- 築年数
- 構造
- 延床面積
- 土地面積
特に所有者は本人のみなのか、共有名義なのか、親族のものなのかをはっきりさせましょう。
登記事項証明書(登記簿謄本)を確認すれば、誰が共有名義になっているかわかります。
下図の赤で囲った部分に現在の所有者の名前が記載されます。
※出典：法務省
必要な情報2. 個人情報
個人情報は下記の内容が必要になります。
個人情報
- 名前
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
電話番号とメールアドレスは連絡のために必要です。
もし、電話連絡を避けたい場合は備考欄に「メール対応でお願いします」と入力しましょう。
メール要望をしていれば電話がかかってくる心配もありません。
もしかかってきた場合はメール要望していることを伝えて切りましょう。
机上査定とメール要望できる不動産一括査定サイトをまとめました。
| 不動産一括査定サイト名 | 机上査定に対応 | メール要望 |
|---|---|---|
| すまいValue | 〇 | 〇 |
| SUUMO | 〇 | 〇 |
| HOME4U | 〇 | 〇 |
| イエウール | × | × |
| SRE不動産(旧ソニー不動産) | × | 〇 |
不動産査定書を見る時の3つのポイント
不動産査定書を見る時には次の3つのポイントを確認するようにしましょう。
不動産査定書を見るポイント
- 周辺の成約事例
- 土地価格と建物価格
- 販売方針
ポイント1. 周辺の成約事例
査定対象物件の周辺での成約事例を確認しましょう。
成約事例は類似物件を対象に比較して、自分の物件がいくらなら売れるかを予測します。
ポイントとしては成約事例はなるべく1年以内のものを並べるようにしましょう。
最近は物件価格が高騰しているので1年以上前の事例だと大きく乖離している可能性があります。
成約事例は不動産会社が査定額を決める要因の一つですが、自分でも把握しておくことによって不動産会社に対して、
「もうちょっと高く売れるんじゃなの？」
「この価格じゃ売れないんじゃないの？」
と意見することができ、不動産会社の担当者も気を抜かなくなります。
ポイント2. 土地価格と建物価格
土地価格と建物価格をチェックするのも大事なことです。
土地と建物は下記の計算式で機械的に計算可能なのです。
詳しくは国土交通省HPを参照ください。
- 土地価格 = 相続税路線価 × 土地面積
- 建物価格 = 再調達価格 × 延床面積 × 残存年数 ÷ 耐用年数
相続税路線価：各道路に設定された価格(国税庁HPで確認可能)
再調達価格：木造14万円、軽量鉄骨14万円、鉄骨15万円、鉄筋コンクリート18万円
耐用年数：木造22年、軽量鉄骨19年、鉄骨27年、鉄筋コンクリート47年
残存年数：耐用年数-経過年数
ポイント3. 販売方針
どんな販売方針なのかをチェックしましょう。
販売方針
- 最初は少し高めの価格設定をして、様子を見ながら少しずつ下げていく。(時間はかかるが高額売却)
- 最初から決まる価格設定で、短期で売却する。
- 不動産会社の既存顧客に売却(早期売却)
- 一般に買主を募って売却活動(時間はかかるが高額売却)
様々な販売方針があります。
なるべく高額で売却したいのか、早期で売却したいのか、営業担当者と話をしながら販売方針を確認して、自分に合った販売をしてくれる不動産会社を選びましょう。
まとめ
不動産査定書は不動産一括査定で不動産会社を選んで作ってもらいましょう。
無料で作ってもらえますが、各不動産会社から出てきた不動産査定書をしっかりと読みこんで、担当者と話をして納得のできる不動産売却を目指しましょう。
不動産査定書でよくある質問
不動産査定書は無料なの？
無料です。
不動産査定書は不動産会社が作成している査定書です。
よく似た書類で不動産鑑定評価書というものがあり、こちらは有償です。
一般に利用されるのは不動産査定書です。
不動産査定書で重要なポイントは？
周辺の成約事例と土地、建物価格の算出方法と査定額の算出根拠を確認しましょう。
不動産査定書はどうやって取るの？
不動産一括査定サイトで複数社から査定してもらい査定書を作ってもらいましょう。