車の買い替えを考えるようになると「本当に今買い替えて大丈夫?」「車は本来何年で買い替えればいいの?」ということが気になりますよね。
高い買い物である車は、買って1年以内に買い替えるということはほぼないでしょう。
では、一体どれくらいの年数が適切なのか。
- 車買い替えの平均年数は?
- どのタイミングが一番お得に買い替えられる?
- 車を買い換える目安となるきっかけは?
今回はこれらの疑問をお持ちの方に、専門家視点でお答えしていきたいと思います。
車は経年劣化が避けられない以上、長く乗ると故障や、増税のリスクがあります。
そのため定期的に買い替えるのがお得なのですが、故障してからでは買取価格も下がってしまうなどデメリットがあります。
一定の期間が経ち、車の価値が大きく下がる前に買い替えるのが正解です。
最後まで読んでいただければ、あなたのケースにおいてお得に車を買い替えるタイミングが判断できると思いますよ。
車買い替えの平均年数は「8.7年」
まず、調査データから買い替え年数の目安を分析していきましょう。
結論からいうと「8~9年」で買い替えるのが平均的といえます。
この根拠として、日本を走っている車の平均年数は、「一般財団法人 自動車検査登録協会」が実施した調査によれば「8.7年」とされています。
つまり、8〜9年のタイミングで買い替える人が多いというわけですね。
実はこの数字は年々延びていて、2000年と比較すると3年ほど長くなっています。
それだけ日本車の品質が日々上がっていて、同じ車に長く乗り続ける人が増えていることを証明しています。
次に日本人が車を廃車にする平均年数は、13.5年というデータがあります。※同じく「一般財団法人 自動車検査登録協会」が発表した「車種別の平均使用年数」参照
ここから分かることは、日本車の寿命は大体13年程度であること。
13年が経過すると国内市場における日本車の価値はほぼなくなってしまうと考えてよいでしょう。
次は、この「8.7年」というタイミングの背景を解説していきます。
8~9年で買い替えるべき2つの理由
上記の通り、日本車の平均車齢は8.7年で、それ以上乗り続けると、平均を上回ってしまいます。
8〜9年のタイミングで買い替えるのが一般的なのですが、なぜこのタイミングなのでしょうか?
ここでは、車の平均車齢が「8.7年」である理由を紹介します。
8~9年で買い替えるべき2つの理由
- 9年目の車検が目前である
- 車は10年経過すると買取価格が下がる
9年目の車検が目前である
日本には新車登録からは3年、以後は2年毎に車検を受けなければいけないと法律で定められています。
車検は3年、5年、7年、9年のタイミングでやってくるので、8.7年というのは4回目・9年目の車検直前にあたります。
つまり、9年目の車検を受けるくらいなら買い替えてしまうという人が多いのです。
9年目の車検を受けた後と、次の車検は11年目になり、車の価値は大きく下がってしまいます。
当然売却額も安くなるので、かしこい買い替え時を逃してしまうのです。
車は10年経過すると買取価格が下がる
日本車の市場価値は、新車登録から10年・走行10万キロを境に下落すると言われています。
9年目の車検を受けると、次の車検を受ける前にこの10年というタイミングを迎えてしまいます。
10年が目前というタイミングで売却しても、実質的に10年落ちの車と判断されてしいまい査定額はたいして変わりません。
こうした理由から、少し余裕をもたせた8.7年というタイミングでの買い替えが多いのです。
では、この10年・10万キロで価値が下がるというのは本当なのでしょうか。
「車は10年・10万キロで壊れる」の真実
車を8.7年で買い替える理由として、最も大きいのが「寿命である10年が来る前だから」というもの。
9年目の車検についても「これを逃したら10年が来てしまうから」という事で本質的には変わりません。
車の寿命は10年・10万キロというのは昔から有名な通説です。
しかし結論をお伝えすると、現在ではこの説は正しくありません。
現在の日本車は品質が高いため、10年や10万キロ程度では壊れることはないのです。
「10年・10万キロで寿命」は昔の話
なぜ「車の寿命は10年10万キロ」という説が広まっていたかといえば、昔の日本車は本当に10年10万キロ程度で寿命を迎えていたからです。
旧来の日本車は今に比べて品質が悪く、10年または10万キロ程度で故障・劣化が目立つようになっていました。
車は一度乗れば数年は買い替えないため、一般所有者における情報のアップデートはとてもゆるやかです。
結果、昔にあった価値観が払拭されず、今でもそうした噂が立ってしまうのです。
その上、新車を販売したいディーラーは、この話を未だにセールストークとして使います。
こうした背景から、未だに10年・10万キロで寿命を迎えてしまうと思っている人が多いのです。
中古車価格は市場のニーズで決まります。たとえ真実でなくとも「価値が下がると思っている人が多い」ことは車の価格に大きく影響します。
まだ乗れると思うなら無理に買い替えなくてもOK
もしあなたが上記の説に影響されていて「10年・10万キロの前に買い替えなければいけない」と思っているなら、無理に買い替える必要はありません。
今の日本車なら、10年以上経過しても問題なく乗ることができます。
車買い替えは購入に伴い多額の費用がかかるため、もったいないと感じるようであれば無理に決断する必要はないのです。
車の買い替えは、周りの意見や噂に左右されると不要な出費の原因にもなります。
自分で必要と感じた時に買い替えるようにしましょう。
しかし、年数経過に伴って増税のタイミングがあるので「損しない乗り方」を考えるならその機を逃さないことが大切です。
注意:新車登録から13年経つと増税される
冒頭で「平均13.5年」のタイミングで廃車にされるデータを紹介しました。
これは新車登録から13年のタイミングで、自動車税と自動車重量税が増税されるから。
自動車税は15%、自動車重量税は20〜39%も増税されてしまいます。
13.5年という数字は「増税されたし、これ以上乗っていると損をするから」と感じて廃車にする人が多いと考えられるでしょう。
車の寿命という意味では、13年程度であればまだ乗ることは可能です。
しかし増税による維持費の増大をきっかけに、多くが廃車を選択するのです。
さらに自動車重量税については、新車登録から18年が経過すると追加で10%も増税されます。
ここまでくると余程の理由がない限り、古い車に乗り続けるメリットはありません。
ここまでの情報をまとめると、9年、13年、18年が車を買い替えるタイミングといえます。
一方で、年数関係なく「ライフスタイルの変化」に伴って買い替えるという選択もあります。
ライフスタイルが変わった時に買い替える選択肢も
車は所有しているだけで維持費がかかるもの。車種によってかかる維持費にも差があります。
支出を減らせるなら、ライフスタイルが変わったタイミングで買い替えてしまうのが賢いケースもあります。
- 子供が生まれて今の車では手狭になった
- 趣味が変わって今の車だと不便になった
- 子供が独り立ちして広い車が不要になった
上記に当てはまる場合は、車買い替えのタイミングといえるでしょう。
手狭になった車では、大人数乗車の度にレンタカーを借りるなど、余計な出費・手間が発生します。
また必要のないほど大きい車は、燃費も悪くガソリン代がかさみます。
こうした場合にライフスタイルに合った車に買い替えることで、余計な出費を抑えることができるのです。
車の買い替えについては、一般的に車検や増税のタイミングに影響されることはお伝えした通りです。
しかし筆者としては、これらにとらわれず、自分のライフスタイルに合わせて定期的に行うことをおすすめします。
そこで次章では、「売却・購入」それぞれで車の賢い買い替えタイミングについてご紹介していきます。
自身に当てはめて両方がある程度重なった時に買い替えを行うことで、お得に買い替えができるでしょう。
売却視点でみる!賢い車買い替えのタイミング
車の買い替えでは、当然乗ってきた車を売却することになります。
ここでは、おすすめの車売却タイミングをご紹介していきます。
車売却タイミングのおすすめ
- モデルチェンジ前
- 10年10万キロ前
- 車検が切れる前
- 修理やメンテナンスに高額の費用がかかる時
1.モデルチェンジ前
今乗っている車がモデルチェンジを予定しているなら、その直前に売却することをおすすめします。
車がモデルチェンジをすれば、旧モデルは買取価格が下落します。そこで、現行モデルのうちに高値で売却してしまうのです。
マイナーチェンジ程度であれば影響は大きくありませんが、フルモデルチェンジとなれば買取価格に大きく影響します。
ネットでモデルチェンジ情報を調べ、適切なタイミングで売却しましょう。
注意点として、直前とはいいましたがあまりにギリギリだと買取店が旧モデルを市場に出す頃には新モデルが出回っているということもありえます。
このような車種であれば長く在庫として抱えておくことは考えにくいですが、ある程度余裕を見ておくとよいでしょう。
2.10年10万キロ到達前
10年・10万キロが車としての寿命ではないことをお伝えした通りですが、買取価格が下がってしまう前に売却するのもありです。
新車登録から10年・10万キロのどちらかが迫ってきた時を目安にしましょう。
該当ラインに到達する直前で売却すると、実質的に10年または10万キロの車として査定されてしまいます。
年数では8〜9年、走行距離では8〜9万キロを目安にするのがおすすめです。
3.車検が切れる前
あなたが車の買い替えを検討していて、更に車検が迫っているなら車検を受ける前に売却してしまいましょう。
車検を取得してからすぐの売却では、支払った車検代が取り返せず損をするのです。
「車検を受けた方が高く売れるのでは?」と思うかもしれませんが、車検を受けて売却しても、車検代以上のプラスにはなりません。
つまり、車検直後に売却するのは、最も損をするタイミングに。
車検が迫っているなら、車検まで数ヶ月という頃合いで売却するのが最もお得といえるでしょう。
4.修理やメンテナンスに高額の費用がかかる時
もし車を修理やメンテナンスに出した際に高額の費用がかかると言われたら、そのタイミングで売却を検討しましょう。
「故障をしてるんだから、売却額が下がるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、多少壊れている車くらいでは、大きな減額にはなりません。
むしろ車検代と同様、修理をしてから売却してもプラスになることはなく、かけた修理代がそのまま損になってしまいます。
買取業者のほとんどが、自社で整備工場を持っています。故障した車でも、買取後に修理するので、問題なく買い取ってくれます。
自社工場で格安修理ができるため、あまり大きな減額もされません。
続いて、賢い車購入のタイミングをご紹介しましょう。
購入視点でみる!賢い車買い替えのタイミング
車を売却するタイミングの次は、車購入の賢いタイミングについてご紹介していきます。
車購入タイミングのおすすめ
- モデルチェンジ直後
- 決算期に購入する
1.モデルチェンジ直後
上記、車の売却では「モデルチェンジ前がおすすめ」でしたが、購入はモデルチェンジ直後がおすすめです。
新モデルは最新機能が満載されており、最も商品価値が高い状態。
3年や5年で買い換えるとしたら、売却時も現行モデルである可能性が非常に高いのもポイントです。
型落ちモデルにならずに済むので、高価買取が期待できるでしょう。
注意点として初期ロットは不具合が多いということはありますが、コスパ重視であればモデルチェンジ直後の購入がおすすめです。
ただし、モデルチェンジ直後は注文が殺到し、納車が遅れるケースが多々あります。発売開始前からディーラーと商談を進めることをおすすめします。
2.決算期に購入する
販売店から購入する以上、市場やモデルの動向だけでなく販売店のセールもうまく利用するべきでしょう。
毎年2〜3月、8〜9月は決算期と呼ばれ、車が安く購入できるタイミングなのです。
新車中古車問わず、販売店は会社の決算期に1台でも多くの車を売りたいと考えます。それが会社の数字に影響するためです。
そこで、決算セールを開催して、お得に車を購入できるのです。値引き額もいつもより多くなるので、この期間の車購入はベストタイミング。
ただし、決算期のセールは予算があり、上限に達した時点で終了してしまいます。決算セールが始まったら、すぐに交渉を開始することをおすすめします。
冬の決算期は2月上旬から、夏の決算期は8月上旬からディーラーで商談を開始しましょう。
ここまでご紹介した、売却・購入のタイミングは全て重なることは稀といえます。そのため、複数のタイミングが重なったら買い替え時と判断するとよいでしょう。
気軽に買い替えたいなら「中古車購入」がおすすめ
車はとても高額な買い物なので、気軽に売ったり買ったりできるものではありません。
ライフスタイルが大きく変わったとしても、購入したばかりの新車の場合はその時点で買い替える、という決断も難しいでしょう。
ローンが残っていれば、ローンの残債も障壁になってしまいます。
もし今後、状況に合わせて頻繁に車を買い替えたいなら、中古車購入をおすすめします。
中古車であれば、車種やスペック、品質とのバランスによってどんな予算でも車購入ができます。
安価な車を購入することで、ライフスタイルが変わった時の買い替えも簡単にできるでしょう。
ただし年式が古い中古車の場合、購入後に増税のタイミングが重なってしまう可能性があります。
中古車購入する際は、5年落ち程度に絞って探すのがおすすめです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。この記事のポイントを改めてまとめます!
- 日本国内を走る車は、平均して新車登録から8.7年が経過している
- 買い替えタイミングの平均は8.7年といえる
- 長く乗り続けることで買取価格が下がったり、増税があるため
- 10年経過前に買い替えをすればリセールバリューが期待できる
- 新車登録から13年が経過すると、自動車税と自動車重量税が増税されるので注意
- ライフスタイルの変化も買い替えのタイミング
生活に合わない車に乗っていても、余計な出費がかさむ原因に。
車の買い替えは、家計を見直す良い機会にもなります。今回解説した内容を参考にしていただき、お得な買い替えを実践してみてください。