相続や古くなった田舎の家をどう処分していいのか困っている人は多いです。
そもそも「田舎の家なんて本当に売れるの?」なんて思っていませんか?
みんなのギモン
- 田舎の家はほっておいても大丈夫?
- どうやったら売れるの?
- どこに依頼をすればいいの?
見て見ぬふりをしている田舎の家について、上手に売却するコツやどうしても処分したい時の注意点を中心にお話していきます。
この記事のまとめ
- 田舎の家は3年以内に売却しないと3,000万円控除が受けられなくなる
- 不動産会社が少ないので田舎の家は売れにくい
- 田舎の家でも売れる理由はあるので長所をアピールせよ
- 地場に強い不動産会社を見つけるには不動産一括査定がオススメ
- どうしても売れない場合は業者買取や空き家バンク、相続放棄を検討する
田舎の家の売却方法を見ていきましょう。
田舎の家を早く売るべき6つの理由
田舎の家も含めて、使っていない家は早く売るべきです。
その理由は以下の6つです。
早く売るべき理由
- 3年以内に3,000万円控除がなくなる
- 物価高騰で現在は高値
- 2030年問題
- 保有していても固定資産税がかかる
- 特定空家等とみなされるリスク
- 修繕や維持費がかかる
- 災害リスク
早く売るべき理由1. 3年以内に3,000万円控除がなくなる
売却する家に住まなくなった日から3年が経つ年の年末までに売却するようにしましょう。
売却すると譲渡所得が発生して、所得税や住民税がかかります。
しかし、住まなくなって3年以内であれば、譲渡所得から3,000万円を控除する「3,000万円の特別控除の特例」で税金が免除されます。
3年というのはあっという間です、住んでいない家があればすぐに売却の準備に入りましょう。
「3,000万円の特別控除の特例」の詳しい内容は国税庁のホームページを参照ください。
早く売るべき理由2. 物価高騰で現在は高値
不動産価格は年々上昇しています。
都心部はもちろん、都心部につられて地方・田舎でも不動産価格は上昇しています。
現在は10年前に比べるとはるかに売却しやすい市況になっています。
数年前に売却しようとして売れなかった・・と諦めるのではなく、もう一度挑戦してみると良いかもしれません。
※出典:国土交通省ホームページ
早く売るべき理由3. 2030年問題
2030年には4人に1人以上が65歳以上の高齢者となり、さらに団塊の世代が寿命年齢に達するので住宅が余ってきます。
都心部への人口の集中が起きるので田舎の物件は在庫過剰になり売れなくなります。
今は物価高騰の影響で価格が高騰しているので今のうちに売却しておくことが賢い選択になります。
早く売るべき理由4. 保有していても固定資産税がかかる
不動産を保有していると当然、固定資産税がかかります。
もし住んでいないのであれば、ただ国に固定資産税を寄付しているだけになります。
もったいないだけなので、住まないならすぐに売ってしまいましょう。
早く売るべき理由5. 特定空家等とみなされるリスク
2015年5月26日に「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)」が施行されました。
空き家は年々増加しています。
※出典:総務省統計局
空き家対策特別措置法により特定空き家に指定されると、最終的には行政の指示で取り壊しが行われて、所有者に費用が請求されます。
取り壊しが行われる前に、売却するべきです。
早く売るべき理由6. 修繕や維持費がかかる
空き家は使っていなくても維持費はかかります。
戸建なら庭の草木の剪定、マンションなら管理費や修繕積立金は自動で引き落とされていきます。
早く売るべき理由7. 災害リスク
建物は災害が発生する可能性があります。
火災が発生すると、隣地に燃え移ると訴訟問題になる可能性もあります。
建物が倒壊して、隣の家を損傷させる可能性もあります。
所有者に管理義務がありますので責任を取らないといけなくなります。
リスクを考え出すときりがないくらい出てきます。
田舎の家が売れにくい3つの理由
一般的には田舎の家は早く売りたくても都心部の家に比べると売れにくいです。
だからこそ、「家を売る具体的な方法」で説明している不動産一括査定を利用して多くの不動産会社で査定して売却する必要があるのです。
売れにくい理由
- ニーズが少ない
- 築年数が古くなりがち
- 対応している不動産会社の数が少ない
売れにくい理由1. ニーズが少ない
田舎は人口が少ないので、そもそも住宅のニーズ自体が少ないです。
都心部なら人口が多いので、募集すれば欲しい人が現れる可能性が高いですが、田舎はそうはいきません。
ニーズが少ない中で売却先を探す覚悟は必要です。
売れにくい理由2. 築年数が古くなりがち
田舎で戸建を建てることが少なくなったため、自然と田舎の不動産は古いものが多くなっています。
古い物件は新しい物件に比べると人気がないので、結果的に売りにくくなります。
売れにくい理由3. 対応している不動産会社の数が少ない
都心部では不動産の売買が盛んに行われているので、自然と不動産会社も集まってきます。
しかし、田舎では不動産の売買があまり行われていないので不動産会社自体が少なくなります。
結果的に、田舎の物件を対象にできる不動産会社の数が少なくなり、売りにくくなるのです。
田舎の家でも売れている6つの理由
田舎の家は売れにくいのが事実ですが、中には以下の理由で売れていく事例がみられます。
売れる理由
- 収納スペースが欲しい
- ペットを飼いたい
- 近隣住民
- 子育てのための移住
- 二地域住居
- 商業用・民泊用の古民家
売れる理由1. 収納スペースが欲しい
田舎は土地値が安いので土地も建物も広くなる傾向にあります。
- 荷物がたくさんあるけど、引っ越す場所がない
- 趣味の道具をしまうスペースが欲しい
田舎の広い家なら収納スペースを十分に確保でき、且つお値打ちに購入できるので購入していくパターンがあります。
売れる理由2. ペットを飼いたい
ペットを飼いたい人が田舎の家を購入してくこともあります。
- 賃貸物件でペット禁止
- 広い庭でのびのび遊ばせたい
コロナの影響でペットを飼う人の数が格段に増えました。
ペットを飼う環境として田舎の家を選択する人も少なくありません。
売れる理由3. 近隣住民
結局、地元の人が買っていくことが最も多いです。
住み慣れた街を離れたくない人でお手頃な値段の家が欲しい方にはぴったりです。
若い人は、自分たちでリノベーションをして田舎の古い家をよみがえらせて住むこともしばしば見受けられます。
売れる理由4. 子育てのための移住
最近では都会に出た人が田舎に回帰してくる動きも見られます。
その代表例は子育てのための移住です。
- 子供が喘息で空気の綺麗なところで育てたい
- 大自然の中でのびのびと育てたい
大人にとっては不便な田舎ですが、子供たちにとっては遊び場が無限に広がる夢のような場所なのです。
売れる理由5. 二地域住居
普段は都会で暮らして、週末や長期休暇は田舎で過ごすというライフスタイルもあります。
コロナが流行したころから二地域住居という考え方は根付いてきました。
窮屈な都会に疲れて田舎に帰ってくる人も多いのです。
売れる理由6. 商業用・民泊用の古民家
ビジネスとして購入されることも珍しくありません。
古い家はそのままだと清潔感がないですが、リノベーションすれば日本家屋の良い部分は残して表面をきれいにして生まれ変わらせることができます。
古民家カフェや民泊用の古民家として再利用されることが多くあります。
日本人にとっては普通の家でも海外の人からすると珍しく貴重な建物もたくさんあります。
このように田舎の古い家を上手に利用したビジネスで購入されることもあります。
田舎の家を売る4つのコツ
田舎の家を売るにはコツがあります。
そのコツをお伝えしますので参考にしてください。
田舎の家を売るコツ
- 綺麗にクリーニングする
- アピールポイントを明確にする
- 更地にして土地として売却
- 対象エリアに強い不動産会社を見つける
家を売るコツ1. 綺麗にクリーニングする
基本ですが、売却の時には第一印象が最も大事です。
もっと言うと最初に見る写真で内覧するかどうか決まります。
お金をかけなくても良いので最低限綺麗に整理整頓されてクリーニングしてあれば物件のポテンシャルを引き出すことができます。
多少手間がかかっても必ず行うべきです。
家を売るコツ2. アピールポイントを明確にする
アピールすることを明確にしておくと仲介の営業マンも営業がしやすいです。
価格の安さ
例えば、圧倒的に価格が安いことを売りにするなら他の価格よりも安く、家を買ってローンを組むことよりも安くなるなど、販売する時の営業トークに使ってもらえます。
土地の広さ
田舎の家の大部分に当てはまることですが、土地の広さもアピールポイントになります。
庭で子供やペットを安心してのびのびと遊ばせることができる。
このような長所は子供やペットがいる家庭には響きます。
自然の豊かさ
田舎の家の最大のアピールポイントです。
「自然がこれだけあって夏にはホタルがみれて、秋には一面花が咲いて」など自然に関してはアピールする点が多いのでアピールポイントにしましょう。
家を売るコツ3. 更地にして土地として売却
建物が建っていると建物を使うということで自由度が減ります。
建物を使うならいいのですが、使わない場合は邪魔になります。
使い道がなさそうなら最初から更地にしておくと買手も見つかりやすくなります。
家を売るコツ4. 対象エリアに強い不動産会社を見つける
田舎はお客さんを見つけるのが難しいです。
でも、エリアごとに強い不動産会社は存在します。
そのエリアに強い不動産会社を見つけることができれば売却できる確率は格段に上がります。
では、どのように強い不動産会社を見つければよいのでしょうか?
次は不動産会社の見つけ方と家を売る具体的な方法について説明します。
田舎の家を売る具体的な方法
自宅を高く早く売却するのであれば、複数の不動産一括査定サイトを利用することをオススメします。
査定依頼した不動産会社のうち、何社かは「似たような意見」を言い、査定額も似たような感じになると思います。
その「似たような意見」こそが、世間一般の常識と解されます。 常識を探るためには、必ず複数の不動産会社から査定を取ることが必要となります。
自宅を売る際は、まずは不動産一括査定サイトを利用して、「似たような意見」を集めることから始めるようにしてください。
【2024年11月最新】不動産一括査定サイトのオススメ6選
数ある不動産一括査定サイトの中で当サイトが厳選してオススメするサイトは下記6つです。
比較項目 | すまいValue | スーモ | HOME4U | イエウール | リガイド | ホームズ |
---|---|---|---|---|---|---|
運営会社 | 小田急不動産(株) 住友不動産販売(株) 東急リバブル(株) 野村不動産ソリューションズ(株) 三井不動産リアルティ(株) 三菱地所ハウスネット(株) |
株式会社リクルート | 株式会社NTT データスマートソーシング | 株式会社Speee | 株式会社ウェイブダッシュ | 株式会社LIFULL |
サービス開始年 | 2016年 | 2009年 | 2001年 | 2014年 | 2006年 | 2008年 |
査定数 | 非公表 | 非公表 | 累計45万件 | 20万件 | 非公表 | 非公表 |
サイト利用者数 | 非公表 | 月間訪問者数 約2188万人 | 年間700万人 | 累計1,000万人 | 非公表 | 非公表 |
提携している不動産会社の数 | 6社 | 2,000社以上 | 2,300社以上 | 2,000社以上 | 900社以上 | 4,000社以上 |
同時依頼数 | 6社 | 10社以上 | 6社 | 6社 | 10社 | 10社 |
机上査定 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × |
備考欄など | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
特徴 | 国内最大手に頼める。 都会に強く地方に弱い傾向がある。 | 賃貸で有名なスーモが運営。 大手~地域密着まで幅広い不動産会社が参加。 | NTTデータグループなので安心感はトップ。 一括査定の歴史最長の老舗。 | 入力がLINE風でカンタン。 | 厳選された不動産会社がウリ。 運営も長く、旧SBIグループの安心感がある。 | 賃貸で有名なホームズが運営。 収益物件に強い不動産会社が多数参加。 |
※2024年11月現在
紹介した不動産一括査定は、どれも安心して利用できます。
ただし、それぞれの不動産一括査定には弱みがあります。その弱みを防ぐ方法があります。
弱みを防ぐには不動産一括査定を併用利用(組み合わせ利用)するのです。
都心部や県庁所在地などの人口が多い都市の方
三井のリハウスや東急リバブルなどの国内最大手の不動産会社は、「すまいValue」にしか参加していません。
ただ、大手は両手仲介の可能性が高いです。対象地域(一都三県+大阪、兵庫)の方は、売主専門としている「SRE不動産(旧ソニー不動産)」も合わせて申し込んでおくと安心です。
また、大手・中堅・地域密着の不動産会社参加の
つまり最大手の不動産会社に依頼できる「すまいValue」に加えて、大手・中堅・地域密着の不動産会社に依頼できる「スーモ」「HOME4U」を組みわせるのです。
安心できる1社のみにしたいという方は、仲介取り扱い件数38年連続No.1の三井のリハウスがおすすめです。
地方や郊外の方
大手の不動産会社は都心に強いですが、地方や郊外では対応できない場合があります。
特に「すまいValue」を使って依頼できる最大手の不動産会社は地方や郊外は対応していない可能性があります。
地方や郊外の方は「スーモ」「HOME4U」「イエウール」を併用するといいでしょう。
収益物件の方
収益物件の方は、収益物件の強い不動産会社の参加が多い「リガイド」「ホームズ」がオススメです。
特にリガイドは、売却だけではなく、賃料査定やリフォーム業者選びもできることから、今持っている物件を「リフォームして貸したい」という人にとっては、使いやすいサイトです。
また、人口が多いエリアは「すまいValue」に依頼しておきましょう。
大手はやはりそういったエリアの仲介は積極的で買手の情報も多くつかんでいるため、高く売れる人を見つけてくれる可能性が高いです。
安心できる1社のみにしたいという方は、仲介取り扱い件数37年連続No.1の三井のリハウスがおすすめです。
不動産一括査定のオススメについては、下記記事で詳しく解説しています。
田舎の家が売れない場合の3つの処分方法
不動産一括査定を試してみてどうしても売れないという場合は以下の3つを試してみましょう。
売れない場合の方法
- 買取業者に依頼する
- 空き家バンクに登録する
- 寄付や贈与
方法1.買取業者に依頼する
買取業者に買い取ってもらうことも方法の1つです。
買取業者の相場は市場価格の7割程度になることが多いですが、どうしても売れない物件だと7割以下になることもあります。
「家を売る具体的な方法」で説明したように、不動産一括査定サイトで不動産会社を見つけたら、「買取業者に買取をお願いしたい」と伝えれば、買取業者に情報を流してくれます。
方法2.空き家バンクに登録する
空き家バンクは住んでいない空き家の情報を掲載するサイトです。
ホームズやアットホームといったサイトで全国の空き家バンクを統合して閲覧できるようになっています。
掘り出し物件を見つけようとしている投資家や自宅を探している一般の人まで幅広く見られています。
方法3.寄付や贈与
自治体やNPO法人・企業などの団体に寄付をする方法もあります。
その団体にとってメリットがあるか、自治体によっては受け付けているところもあるので相談してみましょう。
寄付なら諸費用もかからないので負担は少なくなります。
親族や知り合いに贈与することもできるので相談してみましょう。
贈与は受ける側が確定申告する必要があるので注意が必要です。
相続放棄もできる?
もし田舎の家を相続することが決まって、相続したくないと判断したら相続放棄することもできます。
相続が決まってから3ヶ月以内に家庭裁判所に対して相続放棄の手続きを行う必要があります。
利用しないことがわかっていれば、相続をしないというのも賢い手段なのかもしれません。
まとめ
田舎の家で使っていない家があれば、すぐに売却することをオススメします。
持っていても損することはあっても得することはありません。
「こんな家が売れるの?」と思われるかもしれませんが、意外とニーズがあるので1度は不動産一括査定を利用して売却を試みてください。
もし、売却できずに処分に困ったら買取業者や寄付を検討してみましょう。
田舎の家を売る場合によくある質問
どうしても売れない場合はどうすれば良いの?
買取業者に買い取ってもらうか、寄付、贈与などの手段があります。
田舎の家の相続放棄はできるの?
相続が決まって3ヶ月以内なら相続放棄可能です。